50歳地味に「Y社5484」

赤系の柄色が派手なので地味にしてくれという依頼です。
ただ、妙な指定があって、
「大きな柄だけ彩色せよ。細かい柄は彩色しなくていい」というのです。
全部彩色するよう強く勧めましたが、聞いてもらえません。
  
じゃあ、なぜ全部彩色しないといけないのか。
ほとんど全体が地味になっても、たった一つ赤い花があるだけで、
そこだけが特別に目をひいてしまい、
結果全体として落ち着いた感じにはならないからです。
全部彩色したら70歳で、半分彩色したら35歳。
そんなことは絶対にないのであって、
この手の仕事は虱潰しに残らず彩色しないと効果がありません。
  

加工前の写真を撮ってないので、
裏から撮ったものを反転しました。
柄が不鮮明ですが、色はそのまま残っています。
  

加工後の写真です。
よく見ると、濃いピンクの牡丹や立ち木が地味になってますが
全体として、全然地味になってませんね。
  
予算が出ないから、という理由で
指定箇所だけの加工をさせられましたが、
安物買いのなんとやらで、消費者にしてみれば、まったく捨て金です。
  
結局追加の加工依頼がきたわけですが、
2度に分けるほうが1度に済ますより割高になるわけで、
その他輸送費や何かもかかっていることでしょう。
皆が無駄な働きをせねばならず、誰も喜びません。