派手な地色「K社A-3」その1


またキレイなオレンジの地色ですね。
それに柄色がグリンで、補色といっていいような色です。
この地色を左の色見本の印の色にしてほしいという依頼です。
  
染色というのは、上から色をかければその色になるわけではなく、
必ず元の色の影響を受けます。
脱色すれば別ですが、
足し算、足し算になるわけですね。引き算やご破算はありません。
ですからできる色とできない色がある。
本件などできない色の一例です。
それでも「できません」と断わるのは愛想がないですから、
「この程度で我慢してください」と試験染めを見せて照会することにします。
  

下のシアンがかけた色です。
上がオレンジシアンの足し算でできた色です。
もっと暗い色になるかと思いきや、案外いい線までいけました。
これで照会してみましょう。
  
まれにお客さんの中で「この色かけて欲しい」という人がいますが
結果どういう色になるか正確に理解しているとは思えません。
指示通りの仕事をしても「こんな色になるとは思ってなかった」ということになります。
「この色して欲しい」というのが正しい指示の仕方です。

  
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